こんにちは!特定社会保険労務士の米山正樹です。
厚生労働省の「働き方改革特設サイト」をご存知でしょうか?
https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/top/
同サイトの「お役立ちコンテンツ」には「関連資料ダウンロード&リンク」のページがあって、「働き方改革」を支援する便利なツールやお役立ち情報を提供しています。
お役立ち情報の一つ、「事業主の方から多く寄せられる労務管理に関するご相談と回答について」という「Q&A」集を抜粋してご紹介しましょう。なお、詳細は下記URLからご確認くださいね。
https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/top/assets/img/download/d1903.pdf
<労働時間>
Q.労働時間はどう把握すれば良いの?
A.労働基準法においては、労働時間や残業代(割増賃金)について、ルールを設けていることから、使用者には、労働時間を適正に把握する責務があります。労働時間の把握は、タイムカードによる記録、PCなどの使用時間の記録等の客観的な方法や使用者による現認(現に確認すること)が原則になります。これらの方法をとることができず、やむを得ない場合には、適正な申告を阻害しない等の適切な措置を講じた上で、自己申告によることができます。
<年次有給休暇>
Q.年次有給休暇の取得率が低いので、アドバイスが欲しい!
A.年次有給休暇の取得率が低い主な理由として、「みんなに迷惑がかかると感じるから」「後で多忙になるから」といった理由から年次有給休暇への取得にためらいを感じる労働者が多いといった調査結果が出ております。そこで、取得率の向上に向けて、
◇仕事を個人ではなくチームで行い、チームの中で情報共有を図って休みやすい職場環境とする
◇経営者主導のもと、取得しやすい雰囲気づくりや、労使の話合いの機会をつくるなど、意識改革を行う
◇年次有給休暇の「計画的付与制度」を導入する
などの取組が考えられます。
<就業規則>
Q.労働者10人未満ですが、就業規則を作成する必要はあるのか?
A.労働基準法では、常時使用する労働者が10人未満の場合には、就業規則の作成や届出の義務はありません。しかし、作成義務がなくても、就業規則を作成し、労働者に周知することで、権利義務関係を明確にでき、労働条件を画一的に処理できるほか、労働者の定着促進やモチベーションの向上に期待できます。助成金の申請に当たって求められる場合もありますので、是非作成をお勧めします。
<同一労働同一賃金>
Q.同じ仕事をしていれば同じ賃金を支給しなければならないのですか?
A.正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の待遇差が不合理と認められるものであるか否かについては、①職務内容(業務の内容と責任の程度)、②職務内容・配置の変更の範囲、③その他の事情のうち、それぞれの待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されることとなります。そのため、同じ仕事をしていても(職務内容が同じであっても)、その待遇の性質・目的に照らして適切と認められる場合、職務内容・配置の変更の範囲やその他の事情が違えば、その違いに応じた待遇差は認められます。なお、事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合には、正規雇用労働者との間の待遇差の内容や理由などについて説明しなければなりません。
「働き方改革」を考える上で、こうした情報は参考になりますが、実際に取り組むときは専門家と相談しながらがお勧めですね。