こんにちは!特定社会保険労務士の米山正樹です。
10月から「産後パパ育休」という新しい制度がスタートしたこともあり、ここのところ、育児休業に関連する相談が増えています。
相談内容は法改正に伴うものが多いですが、なかには、育児休業に関する基本的な相談だったりもします。
法改正を受けて、改めて社内で育児休業制度が話題になり、「あれっ!これってどうなるんだろう?」と今更ながらの疑問が出てきたということかも知れません。
育児休業中に年休の付与日が到来したときは?
「育児休業中に年休付与日が到来した場合、育休中は年休を取得することは出来ないので、付与日に付与せず復職したときに付与すればよいですか?」
こんな相談がありましたが、年休(年次有給休暇)の付与と請求の考え方がゴチャゴチャになっているようです。
まず、年休の付与については、一斉付与の月や全期間が育児休業となった場合でも、前一年間の出勤率が8割以上あれば、付与日に年休を付与する必要があります。
出勤率は 出勤率=出勤日/全労働日 の計算式で算出しますが、実際には出勤していない不就労日であっても、次のように、出勤日に含めなければならないものがあります。
①業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
②産前産後の女性が労基法65条の規定により休業した日
③育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
④年次有給休暇を取得した日
育児休業中に年休を請求することはできる?
一方、育児休業している従業員が年休を請求することについては、どのように考えたらよいでしょう。
年次有給休暇は、「労働義務」のある日に請求できるものですので、育児休業の申出前に時季指定や計画付与がない限りは、「労働義務」が免除されている育児休業期間中に年休を請求することはできないとされています。
産前産後休業や介護休業、傷病休職などについても、当該期間中における年休の扱いは同じです。
日頃から理解を深めておくことが大切
いざというときに慌てずで済むよう、日頃から、就業規則をテキストに社内で勉強会などを開催してはいかがでしょう!